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10/OCT/2014 from Moyale to Nairobi

午前三時前。

ホテルの部屋で荷物を整理しているとノックの音。

どうやらホテルスタッフがバスの時間に合わせて起こしにきてくれたらしい。

手には今日のバスでナイロビに行く人の部屋番号がリストアップされています。

親切なサービスはありがたかったけど、ホテルの人間にナイロビに行くと伝えた覚えはないのでちょっと怖かった。笑
 

宿を出るとバスの周りに人だかり。
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ケンゾーさんイクエさんノブくんモモちゃんのいつもの6人で予約していたバスに乗り込むと、中はボロボロ。
カーテンすらありません。
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バス会社の人は「座席は広々でリクライニングする」って言ってたのに、どの座席のレバーを引いてみても微動だにしません。

それに「各座席に充電用のコンセントが付いている」と言っていたけど、プラグの形をした穴が空いているだけで全く使えませんでした。笑
 

バスは予定通りの4時半頃に走り出し、そこからはひたすら未舗装路。

バス会社の人は「始めの100キロがガタガタなだけでそこから先は舗装路になって快適」と言っていたけど、少なくとも300キロ以上はボコボコの道を走りました。

ああ。バス会社のスタッフの言っていた事は嘘ばっかりで嫌な予感が。。
 


今日走るモヤレからナイロビへのルートは旅人の間で”世界一過酷なバス移動”と呼ばれていて、悪路を全速力で走るバスの中で天井に頭をぶつけ続けるという地獄の移動らしく、座っているどころではないぐらい大変だとか。

でも実際にそのルートをバスで移動してみるとそんな事は全然なく、エチオピアのローカルバスの方がよっぽどキツいぐらい。

おそらくここ数年で急速に道が舗装されたのだと思うけど、もはやこのルートは世界一過酷なバス移動でも何でもなくなっていました。

昔はバスもなくてヒッチハイクでトラックの荷台に乗って移動しなければならなかったそうなので、世界一過酷というのはその時代の名残なのかも知れません。
 

しかしながらこのルートを通る上で一番の問題は目的地であるナイロビという街そのもの。

ナイロビは世界でも有数の犯罪都市で、アフリカではあのヨハネスブルクに次ぐ犯罪発生件数だとか。

アフリカに入ってからエチオピアまで南下する間だけでも、ナイロビで起こった悪い話をいくつも聞いてきました。

最近も日本で報道されるレベルの物騒な事件が多発している超危険都市。

私たちも何とかしてナイロビを通らずに南下する方法を考えましたが、飛行機で飛ぶ以外にまともな移動手段もなく、泣く泣くこのルートを選ぶ事になりました。
 


そして走り出して8時間。

ようやく舗装路に突入。

見えてきた農場は、エチオピアとは違って大規模な放牧地にたくさんの牛たち。

東アフリカ一発展した国に入ってきたという実感が沸いてきます。
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車窓から見えた集落には見た事もない民族の人たちがいました。
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これまでずっと巡っていたエチオピアの南部もそうですが、ケニア北部にもユニークな民族の人たちが暮らしているようです。
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途中イシオロという街に13時すぎに到着し、食事休憩。

100シリング(約120円)でワンプレート。二人でワンプレートでも全然いけるボリューム。
コーラは瓶で30シリング。
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どうやら食事はエチオピアより安くてクオリティも高いようです。
 


その後の舗装された道路は快適そのもの。

でもエンジンがへたっているのか、走れど走れどナイロビに近づきません。

バス会社のスタッフの言っていた「所要14時間なので夕方にはナイロビに着ける」というのも全然違っていて、今の時刻は既に18時過ぎ。もう外は暗くなり始めていました。
 

ただでさえ危ない街なのに夜に着くなんて最悪。

目当ての宿はいくつか調べてあるけど、夜にタクシーに乗るのも恐過ぎる。

信用できるタクシーかどうかなんて判断は難しいし、もし外れを引いたら最悪の事態だってあり得る。

バスを降りたら近くのホテルに駆け込むか、バス会社のオフィスに泣きついて夜を明かすしかありません。
 


そして19時半。

16時間の移動を経てついにナイロビに到着。

バスは真っ暗は人通りの少ない路地に止まりました。

近くにはMoyale Starの看板が見えています。かなり質素だけどおそらくあれがオフィス。
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「綺麗なオフィスがあって到着が遅れても泊めてもらえる」と聞いていたけど、掘っ建て小屋みたいなオフィスで安全面が心配だから全然泊まりたくない。しかも次の日オフィスの人に聞いたら夜には閉まるって言っていました。。

これでMoyale Starのスタッフがバスについて言っていた事は全て嘘だった事が判明。

ああ。簡単に人の言う事を信用した自分が憎い。。
 


バスが着いたのは町の外れのEastleighというところ。

ただでさえ危険なナイロビで、こんなに暗くて人気のない所に降ろされて泣きそうな私たち。

バスを降り、埃まみれになったザックを背負って足早に歩き始めます。
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バスを降りる時にホテルの看板が見えたので、ケンゾーさんイクエさんと僕たちはそのホテルに泊まる判断をしました。

ノブくんモモちゃんの二人と別のバスで同じ場所に到着していた旅人たちはタクシーで安宿へ向かうそうですが、私たちには恐くてできませんでした。

こういう形で2つのグループに分かれる事になったのは、私たちとケンゾーさんイクエさんの4人だけはナイロビに来るのが2回目で、その恐ろしさを肌で感じた事があったからかもしれません。

私たちも彼らと同じ宿に泊まる予定でしたが、夜の移動はタクシーを含めて避けようと思っていので、ケンゾーさんイクエさんと意見が同じで助かりました。
 


4人で駆け込んだホテルは幸い空室があり、ダブルで一部屋1500シリング。(1700円ぐらい)

部屋はキレイでホットシャワーもタオルも石鹸もトイレットペーパーもついていて、日本のビジネスホテルみたいな感じ。さすが東アフリカを背負って立つケニアだけはある。

かなり清潔感もあるし、エジプトから南下するまでに泊まった数々の宿と比べるとはるかにクオリティが高い。

ていうか、よくよく考えてみると今回の世界旅行で一番贅沢なホテルと言って間違いないかも!

一人当たり800円でこのクオリティは素晴らしすぎます。

バスオフィスの近くにある”The land star hotel”というホテルです。オススメです。
 


外に出るのが恐いのでどうしようかと思っていた食事も、ホテルに併設されたレストランで食べられたので安心。

犯罪都市ナイロビを暗闇の中歩き回るのは絶対に避けたかったので、これはかなりありがたかった。

店はムスリムの人たちでひしめき合っていた。どうやらここはイスラム地区らしい。

食事は何がある?

と聞くと、帰ったきた答えは、

「インジェラとパスタがあります。」

え!?

まさかのインジェラ!!笑

ようやくエチオピアから出てケニアの恩恵にあずかろうと思ってたのに、まさかここでインジェラに再会するとは。。

でもインジェラ好きの私たちは結局パスタじゃなくてインジェラを頼んでしまいました。笑
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インジェラは酸っぱいけど味があまりなくてエチオピアのとはかなり違いましたが、上に乗ってるおかずはどれも美味しかった!

あと嬉しい事にアボカド、マンゴー、バナナ、パッションフルーツ、パパイヤのジュースがあったので、4つ全部をスプリスにしてオーダー。

エチオピアの方が全体的のバランスは良かったけど、マンゴーやパッションフルーツの鮮度は気温が高いだけにこっちの方がありました。
 


そしてエチオピアでは考えられないほっかほかのシャワーをじゃぶじゃぶ浴び、無事安全な場所に落ち着けた安堵感ですぐにベッドに倒れ込んだのでした。

バスの荷物置きで埃にまみれて化石みたいになってしまったザックの洗濯はまた明日にしよう。
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おわり



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